悪魔の、絵を描く。
神奈川県立近代美術館鎌倉別館で、
見てきました。
鎌倉館、葉山館、鎌倉別館、と3つあって、
それぞれ 別の場所に建っています。
以前、「ピーターの、絵を描く。」でお伝えした
「東欧アニメをめぐる旅」を開催していたのは
葉山館で、数回行ったことがあるんですが、
鎌倉別館へ行くのは初めて。
鶴岡八幡宮に沿って 左側の道をずっと
進んで行くと現れます。
鎌倉別館の美術展、観覧料が安いっっ!!
なんと、¥250 です!!!
初めて行ってみてその観覧料に納得、
規模が小さいんです。
展示スペースは 長~い長方形の展示室1室と
階段脇の壁のみ。
小ぢんまりしていて観覧料も安く、
日曜日だったというのに人もいなくてゆ~ったり。
興味のある展示内容であるなら、この
小ぢんまり感はステキだなぁ~よいなぁ~
って思います ^^ ♪
さて、今回の美術展ですが、
18世紀末から19世紀末の、主にエッチングや
リトグラフ等の版画で、当時の文学や音楽と
結びついた「幻想」ジャンルの挿画を
集めたものです。
「幻想」ジャンル・・・・
伝承や信仰や 音楽や物語、それらに登場する
悪魔や幽霊や怪物を、
実在するかのように描いたものです!
私はここ数年の間に、今回の美術展と同じ匂いのする
美術展に、3回行っています(^-^=)♪♪
〇 町田市立国際版画美術館
「モンスターを探せ」 ・・・2014年
〇 町田市立国際版画美術館
「驚異の部屋へようこそ!」 ・・・2011年
〇 Bunkamuraザ・ミュージアム
「ブリューゲル 版画の世界」 ・・・2010年
作品の年代も内容も 微妙に違うんですが、
あくまでも私の中での「同じ匂い」です(^ー^)v
この4つの美術展に共通するワードは・・・
闇、悪魔、怪物、幻想、空想、深層、真実、虚構、
業、欲、美、醜、地上、天上・・・・等々☆
描かれているものは・・・
〇怪物 伝承、空想上の生物
〇戦争、政治、人物、等々の風刺画
〇信仰、宗教
〇怪奇小説 挿画
〇ダンテ「神曲」挿画
〇解剖図 図解 デザイン
〇装飾デザイン ・・・・等々です☆
特に面白かったのは、「ブリューゲル」と
「驚異の部屋」です。
驚異の部屋っていうのは、珍品を収集して
陳列したコレクション部屋のことで、
王侯貴族の間ではじまって
次第に学者や文人の間にも広まって、
果ては 博物館の前身となったとか^^☆
動植物の標本やミイラや骸骨、巨大な巻貝や
その加工品、イッカクの角や象牙、珊瑚や甲羅、
異国の武具や道具、錬金術の文献、天球儀、
東洋の陶磁器、聖遺物・・・・なんでもあり!
まさに「驚異の部屋」です!!
私がこの時代の貴族の娘だったら、絶対絶対
毎日驚異の部屋に入り浸り、誰かがさらなる
珍品を土産に来訪してくれるのを心待ちに
してただろうなぁぁ~、退屈な城の中での唯一の
憩いと希望の部屋で外の世界を夢見てただろう
なぁぁ~~・・・って思います o(° 0 ° = o) ♪ ♪
きっと、貴族の方々は、
私はこんなのを手に入れましたぞ、これを持って
いらっしゃる方はおられるかな?、なんて
自慢し合っていたんでしょうねぇぇ~w
ブリューゲルは16世紀の人だし、驚異の部屋が
作られていたのは15世紀~18世紀にかけてのこと。
謎な事や不明な事が たくさんたくさん、
解明されずに終わっていただろうと思います。
病気の原因だって 気候の変動だって
政治だって戦争だって、
それこそ「悪魔の仕業」と 心底信じられて
いたかもしれません。
禍々しい怖ろしいモノ、太刀打ちできない恐怖の
存在、それを 書物の挿画として描く人が
現れた時、「悪魔」を初めて目にした時、人は
どんな反応をしただろう・・・現代に生きる私は
「ステキ!おもしろ~い!」なんてわくわくして
それを見るけれど、当時たまたまそれを見る機会
があったりしたら・・・形になった「悪魔」が
脳裏に焼き付いて 数日うなされる羽目になって
いたかも(°へ°|||)と思います。
今、私の本棚には「悪魔の辞典」という本があります。
父の本棚にあったので借りてきました。
やたらと付箋がはさんであります^^笑
「悪魔の辞典」
(フレッド・ゲティングズ 大瀧啓裕訳)
文字通り、辞典です。
アイニ Aini で始まり、ワル Wall で終わり。
イラストや写真もあって楽しいです。
今日のお絵かきは、「悪魔の辞典」より。
悪魔の挿画ですっ。
ペンタグラム…魔力ある召喚で使用される五芒星形。
マイモン…2つの鳥頭を持つデーモン王。
ラミア…神話では神の愛人だったが次第に
デーモン化。半人半蛇。