えをかくバクの部屋

えをかくバクのお絵かき部屋

指文字の、絵を描く。

私の家族に 聴覚障害がある者がいます。

聴覚障害の程度としては、聾に近いくらいの難聴で

かなり聴力は悪いです。

 

私にとっては 小さい頃から身近にある事柄で、

例えばそれは 「うちは団地の2階である」とか

「お父さんは自転車通勤、帰りは6時半」だとか

「朝はパン、だけど味噌汁も飲む」みたいな、

「我が家の特徴」に並ぶたくさんの中の1つでした。

でも、「よその家の特徴」の中にはそうそう見かけない事柄

であったので、じゃあ私はそれについて人より少しは

知っているんだなー詳しいんだなーきっと・・・

という風に 思うようになっていきました。

 

なので、今回は「耳が聴こえないということ」について

私が思うことを書き記してみようと思います \(°∀° )

 

まず、耳という器官が使えない不便さで、

フツーに想像がつくことは省略します。

テレビが聞こえない、クラクションが聞こえない、

電話や目覚ましやチャイムが聞こえない、

人の会話が聞こえない・・・・

山ほど!まだまだ!ありますが、省略!

あと、メンタル面のマイナスポイントも省略します。

差別やいじめを受けたり、たくさん傷ついたこと、

悲しいこと悔しいこと・・・・

家族として思うところはたくさんありますが、

私は当人ではないし、これも今回は省略!

 

・・・じゃぁ何を書くんだ!?って話になりますが・・・

それはとても曖昧で漠然としていて・・・

一言であらわすなら・・・「あきらめ」の心境かな・・・

と思います。

彼の、彼らの中にある、「あきらめ」に似たもの。

 

私は思うんです。

耳が聞こえなく生まれついた人が、

自分は耳が聞こえないんだ、って 自覚するのは

いつなんだろう?

赤ん坊の時には何も思わないはず。気づいてないはず。

自分と、自分以外の周りの世界を認識して、

初めて理解できる その事実。

きっとそれは ゆるやかにじわじわと浸透したんじゃ

ないか、はっきり自覚したころには もうすでに

「あきらめ」に似た曖昧な感情も、しっかり存在

していたんじゃないか・・・そう思うんです。

 

例えば。

私が「あっ!やばっ!」と つぶやいて、

母親がその言葉に反応して「何!どうしたの?!」って

聞いてきて、私は「いや、宿題出てたの思い出しただけ」

と答える。 なんてことない会話。

そんな時。

彼は、その会話に入ってきません。

どうでもいい会話だから入ってこないのではなく、

どうしようもできないから入ってこない。

よっぽど楽しげに大笑いしてたり、がーっと熱く

語っているようなことがあれば、「何?何?」と

聞いてくるし、もちろんこちらも顔を合わせて

大きめの声とはっきりした口元と手話まじりの言葉で

「いや~、今ね~・・・」と その内容を話して

共有しますが、日常の家族間の会話なんて、

たいしたことない会話の方がだんぜん多い。

そんな時、健常者の私はわざわざ説明もしないし

彼もそれを求めない。

それは家族だからこそ気を使わないし 家族だからこそ

気にしない、ってことだね!・・・・って言えるかも

しれないけど、私はそこに、彼の「あきらめ」があるから

成立しているんだ、と思います。

 

彼の日常を私たちに理解しやすく置き換えてみると・・・

それは、言葉の通じない外国でひとりきりだとか、

大学の講義に小学1年生が紛れ込んでいるとか、

そんな状況と似ているかもしれない。

目の前で繰り広げられている会話がまったく理解できず、

かといって1から100まですべての言葉を通訳して

もらう訳にもいかず、しかたがないから

「こういうもの」として受け入れて

やがて慣れていく・・・。

まぁ、「外国語」も「大学の講義」も 聞こえてはいる

ので、ちょっと状況は違いますが。

 

世界は「こういうもの」・・・としての「慣れ」。

生まれた時から毎日、ずうぅぅっと続く日常だから

「あきらめ」というほど積極的なマイナス感情とは

違い、あくまでも「あきらめに似ている」その感覚。

健常者の私には想像することしかできない感覚。

日常のふとした瞬間に、正月に親戚が集まった時に、

聴覚障害者のイベントに家族で参加した時に、

私はいつもそれを考えていました。

考えは膨張するのみで、「疑問→解答」のように

いつか収束に向かうというものでもないのだけれど・・・。

 

私たちは雑音から人の声を聞き分け、他人の独り言まで拾い、

中越しでも暗闇でも会話をする。

聴覚障害者の会話は、目がたより。

相手の目を見る、口を見る、手話を見る・・・でも

一番は「表情」かも。

声色、声の調子、声のトーン、といったものが、

表情や身振りに取って代わるので、聴覚障害者の会話は

めちゃめちゃ感情豊か^^(日本人離れしてる!)

私には軽々しく「ステキだ」なんて言えない複雑な心境も

あるけれど、必ず相手と向き合ってなされる会話は、

健常者にはない「ステキさ」だと思います。

 

彼は 高校から実家を離れ 自立してしっかり仕事もして

健常者、難聴者、聾者、たくさんの友達がいます。

彼が聴覚障害者の友達と話しているのを見た時、

面白かったです!

・・・意外と感情豊かだったから!

・・・会話が高速だったから!(^∀^=)笑

私が Aさん、Bさん、Cさん、〇〇の人、△△の人、

って 自然に話し方やペースが変わるように、

彼もまた 自然に相手に合わせて変えているんだな~、

って あらためて思いました♪

 

さて、そんな訳で 私は初級程度の手話と指文字を知っています。

今回は指文字をお絵かきをしようと思います。

 

指文字とは、五十音を指であらわしたものです。

指文字だけで会話をすることは もちろんないんですが、

固有名詞とか、手話でどうあらわすのかわからない言葉なんかを

補うのに とても便利です。

「あ」から「ん」までと、濁点や長音を入れて

ちょーど 50文字!!

では、スタート \(°∀° ) !!

 

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※ 「を」は「お」という指文字を手前(自分側)にキュッと

  引きます。

※ 濁点がつく文字は横へスライド。 

 

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※ 「あいうえお」と「あかさたなはまやらわ」は、ほぼ

  アルファベットの指文字が原型です。

 

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※ 半濁点がつく文字は上は引き上げます。

※ これは私が作ったお気に入りハイブリッドキャラ「デネロペ」♪ 

 

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※ 「も」は、開いた親指と人差指をくっつける動作。

※ 「の」は、カタカナの「ノ」を書く動作。

※ こちらが本家「ペネロペ」

 

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※ 小さい「つ、や、ゆ、よ」は、「を」の時と

  同じように、手前に引きます。

 

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※ 「ね」は地面の下の「根っこ」を表現しているだとか、

  いちおうそれぞれに形の理由があります。

 

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※ 「き」はきつねの「き」とかね。

 

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※ 「ら」と「む」が残ってる~~(>_<;)

  「ら」と「む」が入る短い名前の生き物を・・・って探してたら

  「悪魔の辞典」にちょうどいいのがありました♪

  黒い鳥の姿をしている、とあったのでこんなキャラに。

 

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 ※ 長音は、空中に「|」を書きます。

※ 「ん」は、カタカナの「ン」を書く感じで。

※ 「り」は、指2本をいっぺんに動かして「リ」を書きます。

 

以上! 50文字!!

・・・・なるべく だぶりが少なくなるように50文字を~

と考えた挙句のチョイスがこれでした(^ω^)笑

これ・・・100人いたら 100人が、

10000人いたら 10000人が 、ぜんぜん違う50音表に

なるだろなぁぁ~~・・・・

他の人の50音表を見てみたいです♪♪

 

指文字、使ってみてください♪♪♪

 

まずは 自分の名前からっ!!\(°∀° )♪

 

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お店へGO!